CBNとは?違法なの?
CBNとは
麻には100種類以上のカンナビノイドが含まれますが、その中の一つが『CBN(カンナビノール Cannabinolの略称)』です。麻からとれる割合が1%未満と非常に少ないカンナビノイドであることから「レアカンナビノイド」とも呼ばれています。
カンナビノイドの中でよく知られているものにはTHCやCBDなどがありますが、CBNはTHCが酸素、光、温度にさらされることで生成されます。
CBNの効果
CBNは鎮静作用、抗痙攣作用、抗炎症作用、睡眠改善に効果があるとされ、食欲増進、緑内障、がんなどへの効果の可能性も示唆されています。さらにCBNはアントラージュ効果を引き起こすことで、身体への様々な効果をより高めると考えられています。
麻には他のカンナビノイド化合物やテルペンなどの植物成分が含まれていますが、単体で摂取するよりも、同じ麻に含まれる複数の成分を同時に摂取したほうが個々の効果が増幅され、より高い効果(相乗効果)が見込めることをいいます。
CBNの違法性
CBNは現在日本で違法薬物として登録されていません。日本で違法な成分とされている同じくカンナビノイドの一つであるTHCも、大麻からとれる天然THCの成分そのものは「大麻取締法」や「麻薬及び抗精神薬取締法」では規制対象となっていません。麻薬及び抗精神薬取締法で規制対象となっているのは合成THCです。
ではなぜTHCが違法とされているのかというと、大麻取締法には除外規定があり、「大麻草の成熟した茎および種子から採取された成分のみ大麻取締法から除外する」とされています。
THCは大麻取締法で違法とされている花や葉に多く含まれる成分のため、「THCが含まれている場合に成熟した茎・種子のみからできた製品であることが確認できない」という解釈から全面的に規制されているというのが実情です。
令和4年8月5日に厚生労働省が公開している『大麻取締法等の改正にむけた検討状況について』には、「THCについては部位規制による取り締まりを行っているところであるが実態としてTHCという有害成分に着目して取り締まっていることから成分規制へと見直すことが適当である」といった内容が示されています。
THCは明らかに危険な作用が認められているためそのような成分規制への動きが強まっていますが、CBNについては今のところそういった動きはありません。
CBNとCBDの違い
CBDとCBNは抽出のされ方が違う
CBDは麻(大麻草)の茎や種子から抽出される成分ですが、CBNは酸化したTHCが分解されて生成されたものになります。
CBNはCBDよりも希少
CBDは麻から摂れるカンナビノイドの割合が2番目に多いですが、CBNは麻から摂れるカンナビノイドの中で割合が1%未満と非常に少ないです。
CBNとCBDでは体内で働きかけが異なる
CBDやCBNは体内でカンナビノイド受容体「CB1受容体」や「CB2受容体」などに関わることでその効果を発揮します。
CB2受容体:主に抹消器官や免疫系に関連する細胞に見られ、免疫機能の調整や抗炎症作用をもつ
CBDはCB1受容体やCB2受容体へ間接的に作用するかたちで働きかけ、一方のCBNは脳内を中心に存在するCB1受容体にも、体内至るところに存在するCB2受容体にも直接結合し働きかけるという違いがあります。
CBNとCBDの効果出現の違い
CBNはCB1受容体やCB2受容体に直接的に働きかけるため、間接的に働きかけるCBDに比べ、体感を得やすいとされています。CBNはCBDに比べて眠気や鎮静作用を感じやすいため、就寝前やリラックスタイムでの摂取に適しています。
CBNとCBD情報量の違い
CBDについては4000を超える論文が掲載されており、安全性について認める研究結果も多く、すでに世界中でブームとなっています。CBDは副作用についても下痢、疲れ、体重と食欲の変化などが報告されていますがCBNについては報告がありません。
CBNはCBDほど研究論文もまだ700程度とCBDに比べると情報が少なく不明瞭な点も多いです。ですが、CBNは抗菌や神経保護や眼圧を下げる(緑内障への研究)、痛みの軽減など様々な効果が期待されていることから、今後研究が進んでいくことは間違いないでしょう。
CBNの精神作用
CBNはTHCの精神作用の10分の1の作用がある
THCは脳内のカンナビノイドCB1受容体を刺激することで、快楽、鎮静、抗不安、鎮痛などの薬理作用を発揮します。また、覚醒剤やヘロインよりは弱いものの、精神依存性を有していることや幻覚作用があることが明らかにされています。
幻覚作用(「催幻覚」)では夢のような非現実空間の中に自分が置かれることで、色彩や音への感覚から物体の大きさの認識などあらゆる感覚に変調をきたします。
CBNはTHCの10分の1の精神作用があり、CBDと比べて特に鎮静作用や睡眠補助といった働きが強いと言われています。CBNはTHCが分解されてできたものなので、THCの効力は弱く、いわゆる「ハイになる、キマる」ということはないですが、用法・容量を守って正しく使用するようにしましょう。
CBNは前述のとおりCBDより眠気や鎮静作用を感じやすいので、車の運転前などは使用を控え、外出先での使用には充分に注意してください。